こんにちは!南ポルトガル・アルガルブ(algarve)地方の町、Praia da luz在住。フランス料理、フランス菓子ベースのホームデリバリーをやっています。Algarve はアルガルベ、アルガルヴェと日本語では表記されていますが “アルガルブ” が正しい発音です。

日々のこと、ポルトガル・スペイン・フランス、ヨーロッパのこと。言葉に関しては ⇧「フランス語・ポルトガル語」に別ブログで書いてます。⇧「Serge & Satoshi Home delivery」はデリバリーのFBページです。⇧「Paradores/パラドール」にはスペインのパラドールの滞在記をまとめています。

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2015-12-11

Château Lalande ~ シャトー・ラランド in フランス


只今、休暇中。
ほぼ一年振りのフランスへ。

今、一緒に仕事をしているフランス人の実家がフランス南西Lot-et-Garonne県にあるため、今まで全く縁の無かったフランスのこの地方にも頻繁に足を運ぶようになりました。

ポルトガルでは手に入らない仕事に必要な材料や機材購入の目的も兼ねてます。


フランス全国展開している"Gifi"という日本でいうと丁度ダイソーに当たるような安い値段で色々なものを売っているスーパーマーケットがあるのですが、そのオーナーがこの土地出身でこの度、中世に建てられたChâteau Lalande というお城を買い取り、大改修しました。

それがこちらです。☟









これが大改装前の写真

この大胆な色使い!
誰もが想像しなかった結果に地元では大きな話題になっています。それだけでもオーナーの目論見はまずは当たったということですね。

そして、これが夜になるとこのようにライトアップされます。






定期的に青、赤、緑、ピンク、紫、黄色、etcと色が変わっていきます。

この、ある意味掟破りな色遣いに顔をしかめる人もいるようだけれど僕はとてもいいことだと思います。
子供の目から見たら、もうディズニーランドと同じメルヘンの世界。
これからのクリスマスシーズン。子供たちにとっては最高の思い出になるのではないかしら。



枯れ木もアートに変身。ロード・オブ・ザ・リングのようですね。





メインのお城の部分にはレストランとホテルが入ってます。
ホテルの方は宿泊してないので見ることはできないけれど、レストラン内装は外観に即した色使い。

奇抜な色使いで人の注意を引くだけでなく、料理もしっかり美味しいものが出てきました。値段も手頃。
夏の間はずっと満席だった要です。

スタッフは若い人たちばかり。



この話題性で地元の経済活動にもいい影響が出ればいいなと思います。


2015-11-11

eBook・電子書籍


海外から日本に向けて初めてEメールを送った時には感動したけれど、最近、同じような感動を再び味わいました。

それがeBook・電子書籍リーダー

何度か日本から頼んで本を送ってもらったり、また自分で転送会社を利用して本を手に入れたりしたことがあるけれど、本は重いから郵送代が結構かかりたとえ中古で手に入れてもお得感があまりない。
手元に届くまで時間もかかる。

それをこの電子書籍リーダーが見事に解決してくれました。

何しろワンクリックで本丸々一冊分があっという間にダウンロードされすぐに読むことができる。

これだけでももう感動ものだけれど、色々なキャンペーン、セールで興味のある本が安く手に入る可能性がある。
新書か漫画コミックまでお知らせが入る(もちろん買わせるためではあるけれど)。
ネットサーフィンならぬ電子書籍リーダー上でサーフィンしていると読んでみたい本がドンドンたまる(ほしいものリストに保存可能)。
これ一つで何百冊分の本がチャージできて持ち歩けるのだから本好きにはたまらないのではないだろうか。
旅のお供にももってこいである。

自分はたまたまここにいて手に入れやすかったAmazonのKindleを購入。
    ↓    ↓    ↓


楽天からはこういうのが出てますね。
    ↓    ↓    ↓    

価格:11,800円
(2015/11/12 04:59時点)


まだすべての本が電子書籍で発売されているわけではないけれど、本を読まれる方は一つ持っておいて損はしないと思いますよ。

自分はKindleを買ってから“手塚治虫”にハマってしまいました。
彼の作品は今まで鉄腕アトムや火の鳥など、本当にメジャーなものしか知らなかったけど、こんなに大人向けの漫画をたくさん描いていたんですね。
新鮮な発見でした。
これも電子書籍リーダーのお陰です。

    

2015-11-10

冬支度・エコについて考える

中央奥やや右寄りに見えるのがMonchique(モン・シック)山


一週間以上続いた悪い天気もやっと回復し、アルガルブらしい青空が戻ってきました。

雨のあとの太陽。キノコも出てきました。

知らないキノコなので食べることを控える


仕事も終了し、冬も近づいてきたので、近場の林に入って暖炉のための薪集めです。

都会育ちの自分にとっては、薪を自分で採ってきて暖を取るなんて考えた事もなかったけどここに住んでいるフランス人に感化されました。

実際に薪集めはチェーンソーで太い枝を切ったり、斧で割ったり、集めた薪を車まで運んで、家に着いたら今度はそれを下して、と完全に肉体労働で大変だけれども、本物の火の暖かさは他の暖房機器では決して得られない物です。
しかも今、持っている暖炉は上にオーブンスペースがあるので料理もできてしまう。
白米もこの暖炉のオーブンで炊くと味が数段うまい!

切るのはすでに倒れて枯れた木のみ


しかし、自然は寛大である。
枯れ木を切っているだけでも一冬、家ひとつ温めるには十分以上な薪が集まる。

ほとんどの家では薪は業者に注文して家まで持ってきてもらっているがその薪はほとんどアレンテージュ(Alentejo)、或いはもっと北から来るもの。
この辺りの森林はほとんど手付かず、と言えば聞こえがいいが残念なことにかなりの部分は荒れ地と化している。


君は手伝ってくれないかい?

自分で集めた薪で家を暖かくするのも満足感のあるもの。
ついでに森はきれいになるし、電気代・ガス代は浮くしなかなかいいものです。

薪を集める労力と時間を厭わないか、お金を出して誰かにやってもらうか、どちらがいい、悪いとは一概には言えないけれど、そんな経験からここに来て少しづつエコロジーに関心が出てきた気ました。

ふとポルトガルの発電はどうなっているのか疑問に思った。
ちょっと調べてみると、ポルトガル国内で生産される電気は全て再生可能エネルギーとのこと。
1990年代までは水力発電が主力だったらしいが今は風力発電が伸びてきている。
確かにここアルガルブに来て真っ先に目に入ったのが風力発電のプロペラ。
未だ、賛否両論あるようだが自然の中に見える風力発電を僕は結構いい景色だと思う。




そしてアルガルブはヨーロッパの中でも最も日照時間の多い地域の一つ。
ソーラー湯沸し器はかなりの家の屋根で見られるが、僕の印象からするとアルガルブのポルトガル人はエネルギーをどちらかと言うと無駄遣いする傾向があるように見受けられる。
冷蔵庫のドアは普通に開けっ放しにするし、車は無意味にスピードを上げるし、全く使わない物でも一日中(或いは一年中)電源が入りっぱなしだったり。

節約の精神は教育がものを言う部分があるんだろうなと思います。









2015-11-06

Clotted cream!


Clotted cream(クロテッドクリーム)をご存知でしょうか?

僕はここポルトガルで初めてその存在を知りました。
とは言ってもポルトガルとは全く関係ありません。

イギリスで主にスコーンと一緒に食べられるクリームです。

ネットで見たところ、こういう説明が載ってました。

“クロッティドクリーム(Clotted cream)はイギリス乳製品。イギリスの南西部・デヴォン州で2000年以上も前から作られてきた伝統的クリームジャムとともにスコーンに付け食べられるのが一般的である。     -Wikipediaより

そもそも自分たちの店でスコーンを売り始めた時にイギリス人のお客さんから
「Clotted creamは無いの?」と聞かれたのがこのクリームを知ることになったきっかけ。 

イギリスから来たチェーン店Icelandが近くにあるのでそこへ行って試しに一つ購入。
スコーン、そしてジャムと一緒に食べるともうこの上ないおいしさ!


本来は牛乳を熱してその表面に固まる脂肪分を取るようだけど、今日のように店で手に入る完全に均質化されてしまっている牛乳ではどんなに熱しても表面に脂肪分は出来ない。

それなら、と脂肪分40%の生クリームを熱してみると、出来ました!クロテッドクリームが!!




スコーンとはもちろん、アップルタルトなどとも相性良し。

まだどのくらいまで生クリームを煮詰めるべきが極めてないけれど是非お試しあれ!!!




2015-11-05

Burgau (ブルガウ)


まだまだ曇り空だったけれどとりあえず雨は止みました。
明日は晴れるそう。いい加減晴れてもらわないと…

アルガルブの海岸線沿いは最西端のSagres(グレシュ)からスペイン国境のVila Real de Santo António(ヴィラ・レアル・ドゥ・サントゥ・アンニウ)まで歩ける様になっている…はず。
実際に踏破したことはないから“はず”なのだけど、このアルガルブ西部の海岸線沿いは自然の荒々しさ溢れるなかなかにきれいなところで、ほとんど民家もなく犬をリードにつなぐ必要もないから散歩には絶好の場所。

犬を連れてPraia da luzの隣町、Burgau(ブルガウ)へ。

Burgauに着くまでずっとこんな感じ

正に崖っぷち

崖の横を歩く

日本なら必ず立ち入り禁止になっているような崖沿いを歩く。自己責任ってことか。


そして見えてくるBurgauの町。
人口500人にも満たないんじゃないかという小さな町。




夏が過ぎた後は観光客も減り、ひっそりとしてます。
この裏寂れた感がいい感じ。




もと漁師の町らしくこんな船もちらほら。



海側から。

こんな小さな町なのに街中のバーから聞こえてくるのは英語だったりするところがアルガルブらしいところ。

もうほとんどのレストランが休業に入っている中でインド料理屋だけはしっかり開いてました。
客いるのかな?


2015-10-12

Praia da luz / 秋

季節というものは確実に回っているんですね。

10月に入り、季節の変わり目を思わせる雨が降り、秋・到来です。
朝、夕は冷えるようになりましたが日中は太陽が出ればまだまだ海水浴もできるような陽気です。

今年は、チュニジア等で起きたテロ、ギリシャの経済危機などの影響を受けてか9月に入ってからもここは観光客が絶えませんでした。

それは商売人としては喜ばしいことだけれど、つい先日も起きたトルコ・アンカラでの爆発事件、シリアからの多くの難民。なんだか不安要素が多いですね。

Praia da luzの象徴、黒岩

ということで曇り空も最近増えてきました。曇りは曇り、雨は雨でまた味わいがあります。


先日、4年住んだ小さなアパートを離れてやっと一軒家に引っ越すことができました。
同時に今年初めから店に顔を出すようになった野良犬も家で飼うことになりました。

その犬を連れて毎日散歩。
体を動かすことは好きだけど、犬がいることで否応なく外に出なければならないので怠けぐせが解消されますね。

晴れの日もいいけれどこういう曇りの日も良し。


名前はロッキー
以前住んでいたタヒチは常夏の国。
それはそれでいいのだけれど、いつしか四季が恋しくなってました。

今月一杯で店は来年2月まで閉店。
店を閉めた後は家の整理と薪ストーブのための薪割りです。

冬には冬の良さがあるよね、と最近は素直に思えます。

2015-09-22

Portugal's sweets

ポルトガルのお菓子と言った時、果たして何がすぐに頭に思いうかぶだろうか?
日本人であれば恐らく「カステラ」、もう少し昔なら「金平糖」あたりだろうかと思う。

でも、もう少し範囲を広げて世界で、となるとちょっと大げさなのでヨーロッパで知られているポルトガルのお菓子と言ったらやはりPastel de nata(パシュテル・ドゥ・タ)だろう。




日本ではエッグタルトという名前で知られているこのお菓子。
周りの生地はパイ生地に似ているけれどちょっと違い、どちらかというと春巻きの皮に似た薄さとパリパリ感。詳しいレシピは知らないけれど、ラードを使っていると思われる。
中のクリームはカスタードクリームを更に濃厚にしたようなしっかりとした味。
食べる時に上にシナモンを振り掛けて食べる人が多いようだ。

代表的なポルトガル菓子はどれも卵黄をふんだんに使ったものが多いので、このお菓子はまさにポルトガル菓子を立派に代表するお菓子と言える。

カスタード好きにはたまらないだろうし僕も時々、無性に食べたくなる時がある。


が、しかし……


ここ、アルガルブでは本当においしいPastel de nataにお目にかかったことが無い。
ポルトガルに住み始めたばかりの頃は色々なところで買って試してみたものだけどどれもことごとく外れ。

それもそのはず、リスボンやポルトでの事情は知らないが、ここアルガルブで買えるPastel de nataはどれも冷凍物の工場で作られた既製品ばかり。
一度などはとあるお菓子屋の軒先にオーブンで温めるばかりのPastel de nataが入った段ボールが置いてありましたよ。“Made in Spain”と書かれて…
う~~ん、いいのかそれで、ポルトガル人!


ということで、ここでおいしいPastel de nataを見つけることはもう半ば諦めてます。
時々、来店されたお客さんにもどこでおいしいPastel de nataが手に入るのか聞かれることがあるけれど、正直に「○○で買えるけれど冷凍品ですよ。」と答えてます。


そんな中、唯一、一軒だけ僕が認めるおいしいPastel de nataが食べられるところ。
それがリスボンのPastéis de Belém(パシュテイシュ・ドゥ・ベレン)です。

サイトはこちら→ http://www.pasteisdebelem.pt/

店はここのPastel de nataを食べるがために訪れた観光客で信じられないほどに賑わっています。
一体どこまで続くのかと思うほどの、まるで迷宮のような店内。
厨房の一部ものぞけます。
ここではPastel de nataだけではなく、その他のポルトガル菓子ももちろんあるのに見渡すと食べられているお菓子はこのPastel de nata一色。
たったこのお菓子一つでここまで人を呼び寄せる。恐るべし!

しかし困ったことにここのPastel de nataを食べてから、他ではもうおいしいと思えなくなってしまいました。

皆さん、Pastel de nataだけはリスボンで食べていきましょう。



ちなみに日本でポルトガルから伝わったお菓子として良く知られている“カステラ”はポルトガルではカステラではなくPão de ló(パォン・ドゥ・ロー)と呼ばれるお菓子。


スポンジケーキのようなお菓子です。
ポルトガル人にお菓子の説明をする時、スポンジケーキやジェノワーズでは理解されることが少ないのでこれらの言葉の替りにPão de ló(パォン・ドゥ・ロー)を使っている、と言うと一発で理解してもらえます。




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2015-09-14

クロワッサンのコツ

せっかく菓子職人として仕事をしているので、お菓子作りに関して何かコツやちょっとしたテクニックを公開できれば・・・

今回はクロワッサンについて。

店を開いてからこれまで4年弱の間にどれくらいのクロワッサンを作ってきたのか数えてみたこともないけれど、どんなジャンルにしろいわゆる職人技というのは何の裏技も秘密もある訳ではなく毎日の積み重ねで出来上がっていくものなのだなぁ、と実感します。
毎日の作業の中で、こうしてみたらどうか、ここを変えてみたらいいんじゃないか、等々。
そして、恐らくそういう積み重ねもなくいきなりいい結果を出せてしまう人が天才と言われる人たちなのでしょうね。

そんな天才ではない自分にとってはとにかく毎日、試行錯誤の連続。



さて、このクロワッサン、そしてパイ生地は家庭で作るのが一番難しいお菓子の部類に入るのではないかと思います。
時間もかかるし、作業するスペースも取るし、涼しい場所が必要だし。

まずバターを織り込むための生地は、前日に作っておくのが理想です。
色々なレシピがあるけれど、この生地の中にもバターを入れるとどういう作用によるのか出来上がった時のさっくり感が増します。
そして使う油脂はもちろんバター。マーガリンは避けましょう。

バターを織り込む作業はその都度、生地を冷蔵庫で休ませながら。家庭用の冷蔵庫はどうしても業務用の冷蔵庫より力が弱いので生地を休ませるのにも時間がかかります。
小麦粉と水を合わせた生地はとにかくしっかり休ませることが大切。ちゃんと休ませてない生地を無理に引っ張って作業すると、焼いたときに見事に引っ張った方向とは逆の方向に縮む結果となります。
どうも生地に抵抗がある、縮みやすいと感じた時は素直に作業を止め生地を休ませましょう。

必要な回数バターを織り込み、その後くるくると巻いてクロワッサンの形にするのですが、ここでの微妙な生地の締め具合も何度も作って体得するしかありません。どんなに生地が完璧にできてもこの巻き方一つで成功と失敗が分かれます。
巻きが甘くてクロワッサンの形をとどめなかったり、引っ張り過ぎて生地が切れてしまったり。
そんなことの繰り返しです。

そしてここで意外なことに気がつきました。
成形をしてからすぐに発酵→焼成と行くのではなく、成形してから一度生地を冷凍する
そして3日から1週間経った後に冷凍庫から取り出しオーブンプレートに並べ十分に発酵させから焼くと、成形してからすぐに焼くよりも良い形のきれいなクロワッサンができます。
家庭でクロワッサンを作ろうという時に1週間も前から作り始めなければいけない、となるとちょっと無理があるかも知れないけれど、よく作られる方は是非一度試してみてください。

数日から1週間、冷凍する間に生地が落ち着くのかしっかり膨らんだおいしそうなクロワッサンができます。
発酵も普通のパンよりも長めにちょっと発酵させ過ぎたかな、というくらいが丁度いいようです。

ただし、3週間あたりを過ぎるとイーストが死んでしまうのかどんどん生地は劣化していきます。
冷凍庫で保存できるのは1週間、長くても2週間でそれまでに焼成まで終わらせてしまいましょう。
クロワッサンが焼ける時の香りは格別

クロワッサンと言ったらフランス。
でも、残念ながらその本場フランスでも本当においしい手作りのクロワッサンを見つけるのは難しくなってきました。
そのほとんどは工場生産されたもの。
フランスでお世話になっている厨房機材専門の卸業者の方の話では、フランスの80%のクロワッサンは工場生産されたもの。自家製を謳っている個人のお菓子屋でもほとんどは冷凍物を仕入れてその場で焼いているだけ、だそうです。
ただ、その場で焼いているのでその匂いに騙されてほとんどの人は自家製・手作りだと思っているそうな。
時にスーパーで見かけるクロワッサンの原材料を見ると、その原材料の多さ、保存料から香料、安価な油脂、中には結局なんなのか分からない物まで。
美味しく体にもいいものを見つけるのも段々と難しくなってきているようです。



2015-09-07

今年最後の夏祭り

9月に入りました。

月が替わった途端、日中は暑くとも朝、夕はすでに秋の気配を感じさせるようになりました。
気がつけば日も短くなってきています。

先週末、7月、8月と2度行われていた村の今年最後の小さなお祭りが開かれました。

僕が来たばかりの頃はそれほど大々的に催されていなかったように思うのですが、去年あたりから、あちこちにお祭りの宣伝の看板が見られるようになり、お祭り当日は結構な賑わいを見せるようになりました。
それでも8月の時に比べて人は減っていました。




こんな屋台で、お菓子やお土産を売っています。
日本の片田舎のお祭りのようです。





夕暮れをバックに歌うグループ
素人ぽさが逆にこういうお祭りの雰囲気にはマッチしています。
ちなみにポルトガルというとファドを思い浮かべることが多いと思いますが、ファドはリスボン発祥なのでここアルガルブではほとんど耳にすることはありません。

























こんな夏らしいお祭り、いつまでもいつまでも続いてほしいものです。

8月はとにもかくにも観光シーズン。たくさんの旅行者、家族連れでごった返しますが9月に入ると町も少し静けさを取り戻し、客層もガラッと変わります。

仕事をしている側にとってはホっと一息つける時です。


2015-08-03

こういうものが流行になるなんて…


8月、ここも夏真っ盛り。

7月から8月に月が替わった瞬間に一気に海を求めて観光客が増えました。
ちなみに店を持っている者としては人が増える8月は確かに売上が最も上がる時期なのですが、同時に客層が最も悪い時期でもあります。その話は後日。

ここは海がメインの観光地なので当然、夏に人が増えます。そして暑いし海だし気持ちも開放的になるから自然の成り行きとして老若を問わず上半身裸男子が増えます。

それを数年見ることもなしに見ていて気付いたことが大きく2つ。

一つは、明らかに肥満体系の割合が増えた(特に若年層)

もう一つは、刺青(タトゥー)を入れている人の増加

今日はそのうちの刺青の方の話。

上半身裸で歩く人の大体の傾向としておじさん以上年代はただ単に暑いから。だから見ていて(見せられて)決して気持ち良くない光景も多々あり。
しかもこれで店に入って来られた時には見ないわけにもいかずちょっと目のやり場に困る。
だいたい店に入る時は礼儀としてどんなに軽装でもいいから何か上に身に着けてから入店してほしい。

例えばフランス・カンヌでは上半身裸で街中を歩くことは禁止されているそう。

どうしても、暑くて何となくなんでもありという気分になるのは分かるけれど「あんたの裸なんて見たくないよ」と思う人もいる(だけど一方的に見せられる)のだから最低限の節度は持ってほしい。


それに対して10代~20代の多くは明らかに「見てくれ俺の体」派。ジムで鍛えた人はここぞとばかりに露出しないとね。そのためにお金と時間をかけたんだから。
そしてもう一つの理由が刺青
刺青と言っても、ちょっとワンポイントに肩に小さなイルカの刺青、なんてレベルではありません。
両腕や背中、足にしっかり刺青です。
中には、どうしてそうなっちゃったの?と思わずにはいられないほど全体に全くまとまりのない刺青を入れている人。漢字を入れているけれど意味が全くナンセンスなもの(入れる前に確認しようよ)。
僕が今までに実際に見た漢字刺青の一番の駄作は「台所」。字面がいいとも思えないのだが…
まぁ、これだけの刺青を入れたんだから見せたくなるのは人情でしょう。というより見せたいために刺青を入れたのか。

でもここで僕はどうしても疑問が、というより他人事ながら心配が。
この人達、刺青が一生ものであることをちゃんと本当に分かって入れたのだろうか?
髪を染めたり、流行の格好をするのとは訳が違うということを。

もちろん中には刺青という物が好きで、ちゃんとそれなりの信念を持って入れている人、アイデンティティーとして入れている人はいるだろうけれど、これだけ多くの人が刺青を入れているのを見ると、中には流行で軽い気持ちで入れた人もいるはず。それも大きな刺青を。
飽きたから違う服、もう流行おくれだから違う色、というわけにはいかないのが刺青。

加えてもう一つ、これは完全に主観だけれど、僕にとってどうしても欧米の白人の肌に刺青(特に大きな刺青)は似合うと思えない。

そう思ってしまうのにはもちろん理由があります。
ここポルトガルに来る前、僕はタヒチに住んでいたのだけれど、そのタヒチでは刺青という物が長~い歴史を持つポリネシア文化の一つとして存在しているのです。
そういう文化を持つタヒチの人がタヒチのモチーフを、体格のいい体、褐色の肌に入れる刺青は本当に様になる。
ちょうど和服が日本人に一番似合うように。
そんな刺青を見てきた自分にとってはどうしてもヨーロッパ人の入れる刺青は取ってつけたようでどうにも格好良くない。
そして現時点の技術では完全に刺青を消すことは不可能。
若いうちはまだに肌に張りもあっていいけれどいずれ年を取って皺だらけになった時にどうなってしまうんだろう、と全くどうでもいい心配をしております。


人だかりのPraia da luz