こんにちは!南ポルトガル・アルガルブ(algarve)地方の町、Praia da luz在住。フランス料理、フランス菓子ベースのホームデリバリーをやっています。Algarve はアルガルベ、アルガルヴェと日本語では表記されていますが “アルガルブ” が正しい発音です。

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2016-02-16

アルガルブの高速道路A22


先日、フランスから車で戻ってきました。
フランスも雨だったけどスペインもアルガルブもずっと雨。
ここまで天気が悪かったことは初めてです。


今日もこんな空。しかも強風。
雨、曇り、太陽、の繰り返しでした。

フランスから今、自分が住んでいるアルガルブの家までおよそ1500Km。
これが日本でいえばどれ程の距離なのかと調べてみたら、
東京から高速を使って鹿児島まで行っても1300Kmを少し超えるほど。
東京から直線距離で沖縄まで届くらしい。

日本ではまず考えられないのがスペインは一部区間を除いて高速道路は無料。
想像してみてほしい。東京から高速を使って鹿児島まで行くとして、例えば大阪を通過する時だけお金がかかってそれ以外の区間は無料だったら。考えられないでしょ。

確かに今時の環境破壊の観点から言ったらどうなの?無料じゃ車の利用を促すだけでしょう。
という議論も成り立つのだけど車の運転が好きな自分としてはスペインは嬉しい国なのです。

さて、この高速道路、スペインからそのまま国境を越えてポルトガルに入るとそこから有料になってしまいます。
それがアルガルブを東西に貫くA22(全行程約130Km、スペイン国境側最東の町Vila real de Santo António(ヴィラ・レアル・ドゥ・サントゥ・アントニウ)から西側Bensafrim(ベンサフリン)をつないでいます)です。


しかし、この高速道路。そもそもはアルガルブの観光促進のためにEU(ヨーロッパ共同体)からお金を受け造られたもの。当初は無料だったのです。

それだけでも憤慨ものなのですが、酷いのはそのお金を支払うシステム。

そもそも無料だったので出入り口に料金所はありません。
そこでスピード違反を取り締まるようなカメラを要所要所に設置しました。

こんなものです。

そして車がこの下を通過すると、カメラがカーナンバーを捉え料金が計算されるのですが、その料金を払う方法は基本的に2つ。

一つは事前に小さい後付けのGPSのような機械を購入しそれを車のフロントガラスに設置しておくと、カメラの下を車が通過する時にレーダーが反応しお金が自動的に銀行口座から振り落とされる。

もう一つは高速道路を使用した48時間後に指定の窓口へ払いに行く。ただし、5日過ぎる前に払いに行かないと罰金を取られます。48時間後というのがミソです。高速道路を使った直後、あるいは翌日には払いに行けません。

このシステムの最大の欠陥は、ポルトガルナンバー以外の車が通過した時にそれを追跡する手段を一切持っていないことです。
ポルトガル政府はヨーロッパが陸続きであることを知らないのか、この高速道路を通じてスペインはもちろん、北欧や東欧、果てはフェリーを通じてイギリスからも車が入って来るのです。
旅行で来た他の国の車がこのカメラの下を通過してナンバーを撮られても、その車を特定することを不可能。仮に持ち主が分かったとしたところで、彼らにどうお金を請求するのか。
結果どうなるか。ポルトガルの外から来る人たちにとっては事実上無料であり、律儀に料金を払わされるのはポルトガルに住むポルトガル人とポルトガルに住みポルトガルナンバーの車を持つ外国人だけ。

一度、料金を支払う窓口へ行って外国の車が通った時にその人たちにはどうやってお金を払わさせるのか聞いてみたら、帰ってきた答えは「分からない」。
むちゃくちゃである。

もう一つの欠陥は使用してから48時間後5日前までに料金を払わなければいけないこと。でもポルトガルを出てそのまますぐに帰ってこない時にはどうすればいいのか?
それに対する窓口の答えも「分からない」。

自動振り落としされる機械を買えばいい、ということになるのだけれどそもそもアルガルブの観光促進のためにEU出資で無料だったものを有料にしたこと。
そしてこの複雑で不公平な支払いシステムのために僕はA22を使うことを拒否しているのです。

有料になって以来、定期的に抗議デモが行われています。
実際に有料になってから国道の交通量が増え、事故も増加しているようです。
が、政府はもちろん今のところ聞く耳持たずです。

僕もこの高速を使えばスペイン国境から家まで1時間強のところ国道を使い2時間以上かけています。


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