2018年8月27日

夏の大移動

今年は世界規模で天気がおかしかった。
「おかしかった」、と過去形で書くのはまだ早いのかもしれない。ここアルガルブも例外ではなく、2月末まで過ごしやすくはあるが降るべき雨が全く降らない乾燥した冬が続き、その後は6月まで(普通は雨が降らない時期なのに)雨が多い不安定な時が続き、そして夏の初めには北ヨーロッパ(スウェーデンやスコットランド)の方が南ヨーロッパより暑いという異常な状態が続き、そして暑くなったと思ったら記録的な猛暑。
今は昼間は暑くとも夜は涼しい、アルガルブらしい夏にやっとなったけれど、これから12月までどんな天気が続くのか全く分からない。
おかしいほど暑さが続くのか、異常な寒さが来るのか、雨ばっかりなるのか、例年にない乾燥した冬になるのか。

そのおかしな天候に呼応するように夏の観光客の足並みも今年はおかしかった。
本来なら7月に入ればリスボンやポルトに住むポルトガル人が多く訪れるようになるのに、今年7月はずっと静かなまま。普段に7月には必ず来ていた地元人は姿を現さず。
毎週末、来週はたくさん人が来るか、来週はたくさん人が来るか、と言いながら結局その時は来ることなく7月が終わり、8月に入ってもパッとしないまま。

このまま今年の夏は不発で終わるか、と思っていた矢先、8月中盤に入ってポルトガル国内のみならず、イギリスやフランスからもどっと観光客が押し寄せてきた。今年は理由は分からないがみんなが8月15日前後の同じ時に休みを取ったようだ。

路上も車、駐車場は常に満車、スーパーに行けば人だらけ、当然ビーチも人だらけ。
あまりの一極集中に今年はさすがにうんざりした。

8月のPraia da luz。空が曇っているのは近くで起きた山火事の灰のため。

3月の同じ場所。
うんざりしたこともあって思った。本当にこれが最善の休暇の過ごし方なのか?ヴァカンスはこう過ごさなければならない、たとえそれが世界の果てであってもトレンディーな場所へ行かなければならない、みんなそんな風に無条件に思わされているような気がしてならない。
例えば家に留まって普段できないことをする、あるいは住んでいる場所の近くで休暇を過ごす、なんてことは選択の中にはない。FBやインスタグラムにも他の人がアップしない、うらやましがらせるような、いいねをたくさんもらえる写真を上げたい。結果、皮肉なことにみんなが同じような行動をとる。
今、バルセロナ、アムステルダム、ヴェネチアなどヨーロッパのいくつかの都市は観光客の多さが問題になり始めているほどである(ゴミ、騒音、治安、不動産高騰など)。
ポルトガルの首都リスボンもどうやら例外ではなく、リスボン中心部に住むポルトガル人がホテル、宿泊施設にするためと言って住んでいるアパートから立ち退きを迫られるケースもあるらしい。それって何かおかしくないか?
観光客=経済効果、要するにお金・消費の話である。

2016年の観光客数を見ると1位は相変わらずフランスで8260万人、日本は16位で2404万人。
フランスは今年2018年も好調で2020年には観光客1億人を目指すらしい。
日本も東京オリンピック開催時に4000万人を目標にしているらしいけれど、経済効果だけに着目して物事を決めるのはそろそろ考えた方がいい、果てしなく消費を促す社会システムにそろそろ限界が来ているとPraia da luzのビーチを見ながら考えるのである。