こんにちは!南ポルトガル・アルガルブ(algarve)地方の町、Praia da luz在住。フランス料理、フランス菓子ベースのホームデリバリーをやっています。Algarve はアルガルベ、アルガルヴェと日本語では表記されていますが “アルガルブ” が正しい発音です。

日々のこと、ポルトガル・スペイン・フランス、ヨーロッパのこと。言葉に関しては ⇧「フランス語・ポルトガル語」に別ブログで書いてます。⇧「Serge & Satoshi Home delivery」はデリバリーのFBページです。⇧「Paradores/パラドール」にはスペインのパラドールの滞在記をまとめています。

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2020-03-26

この非常事態にいきなり見直されている職業。


こういう非常時にやはり国民性が出るのか。

イタリア、スペイン、ポルトガルでは非常事態宣言による外出禁止命令が比較的守られている印象を受けるけれど、フランスではそれでも外に出る人が後を絶たず、ついに政府は罰金刑、禁固刑など厳罰化。飽和状態に近づきつつある病院で最前線で治療にあたっている医師、看護師からもソーシャルメディアを通じて、家にいるように、外に出ないように、と懇願される始末。
さすがは「自由の国・フランス」ならではのことか。

個人の行動の自由、思想の自由はもちろん守られるべきもの、だけれどこの非常時に国全体の安全・国民全体の安全と個人の自由との間、どこに境界線を引くか、これも大きな課題だろう思う。


ここラゴス近辺でも、観光客はもちろん、年を通して住んでいるリタイア組の一部も自分たちの国へ帰って行ったのか、今週に入って目に見えて人が少なくなった気がします。

それでも、そもそも人が少ないところ。自分たちの国や都会に帰るより、ここにいる方が遥かに安全だ、天気もいいし、と残っている人たちもいます。



これはフランスで起きていることだけれど…

外出禁止令で、公務員や一般のサラリーマン、IT産業で働いている人たちは自宅待機、あるいはパソコンを介して在宅勤務をしている人たち、またそれができる人たち、

そして、

生きていく上に不可欠という名目で、医療関係者、キャッシャーを含めたスーパーで働く人たち、そこへ食料を運ぶ運送会社やトラック運転手、ゴミ収集員、高齢者や障害者の世話をするヘルパー、レストランのデリバリー、農業従事者といった人たちは、在宅勤務はもちろん不可能で今も普通に(あるいは普段以上に)働いています。

この、今も働いている人たちは、感染の危険を避けるために一国全土で自宅待機をしている中で、感染するかもしれない危険を冒して日々の生活と経済を支えている人たちと、にわかに英雄扱いされるようになってきました。フランスのマクロン大統領さえこれらの仕事に従事する人たちを称えだした。そのこと自体に悪いことはないけれど、

でも、

例えば、病院ではもう長いあいだ、労働条件の改善を求めていたし、キャッシャーは何も資格がない人がやる仕事、という捉え方をされてきたし、トラック運転手は東ヨーロッパから入ってくる安い人材に常に厳しい競争を強いられてきたし、ゴミ収集員は話題になることもないし、ヘルパーは低賃金重労働改善を訴えていたし、農業従事者は大手の巨大チェーンスーパーに安く買われて自殺者が絶えなかった。

けれど、これまで政府はずっと言葉ばかりで具体的な対策をとることなく、GAFAに代表されるような大きな会社が、ほぼ一方的に桁違いの利益を上げることを許してきた(もちろんこれはフランスだけに限らないけど)。こういうところに来て、いきなりのヒーロー扱いである。

しばらく大規模な自然災害が起きなかったせいで(スペイン風邪からも100年)、人間食わなければ生きていけない、そんな基本中の基本を忘れていたんでしょうね。あるいはそんな世界規模の事態が起きるはずがない、と高をくくっていた。

昨今のスタートアップやベンチャー企業はもちろんいいけれど、それらのジャンルと、肉体労働や農業のように汚れる仕事、効率だけでは測れない仕事(高齢者ヘルパーなど)が、どちらも大事なものだと同等に扱われるようになるきっかけにすることができればいいな、と思う。

今回の新型コロナウイルス (Covid-19) の前と後では世界規模で色々なことが変わるのだろうな、とそんな予感がしてます。

それとも、人間すぐにものを忘れるから、この事態が収まった時にはまたあっという間にもとの超消費社会に戻り、環境破壊を繰り返すのかな?



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